前回の内容はこちら▼
【第2話】毒親の母が893の事務所に俺の履歴書を送り、俺の就職が決まった→20年後…
前回の内容はこちら▼ こちらもおすすめ▼ 本編 カタカタと体が震えるのを 我慢できない、そんな俺の肩を、 誰かが掴んだ。痛い! 全く手加減がない。あっというまに、 俺は引きずられていった。 今までいた、汚い雑居ビルの 一室から廊下に移る。 ...
1話から読みたい方はこちら▼
【第1話】毒親の母が893の事務所に俺の履歴書を送り、俺の就職が決まった→20年後…
こちらもおすすめ▼ 本編 うわああああ! 何だよこれ、本当に 人間同士がやってるのか!? 俺は、目の前に広がる光景に、 すっかり震え上がっていた。 一人の、それも棒切れ一本 持っていない男を、 複数の男たちが取り囲んでいる。 敵対男性「助、...
本編
カノウの兄貴に叱られながら、
あの運命の日を思い出していた。
俺はジン。
この当時は中学校卒業を控えており、
進路もいまだ決まらず、
どうしたらいいかと
悩んでいる15歳だった。
昔から、俺に親父はいなかった。
長らく母さんと二人暮らし、
たぶん赤ん坊のころにはもう、
父さんと呼べる存在は
いなかったのだろう。
母さんは、若くして
俺を生んだらしい。
小学校あたりで、周囲の母親とは
だいぶ雰囲気が違うと気づいた。
クラスメート「ジン君の
お母さんって奇麗だよね」
クラスメート「美人って、ああいう
人のことを言うんだってさ」
母親を褒められれば、
悪い気はしない。
仕事が忙しくて、しょっちゅう
家を空けているし、
ろくにコミュニケーションも
取らない母ではあったけれど、
俺は子供心に自慢だった。
ジン(俺の母ちゃんは
若くて美人なんだ!みんなに
羨ましがられるんだもんな!)
ただ、年齢があがるにつれて、
母は自慢の親とは言えない
性格をしていると、
だんだん気づき始めた。