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本編

そんな成績のおかげもあって、

俺は無事にボクサーデビューを果たした。

 

 

初戦はプロの洗礼ってやつを浴びて、

ものすごい乱打になった挙句、かろうじて勝利。

爺さんなんか。大はしゃぎだったものだ。

 

 

祖父「孫のプロデビュー初戦勝利を記念して、

特別な寿司桶を用意したぞ」

とか何とか言い出す始末。

 

 

豪華なネタがてんこ盛りで1000円。

さすがに周囲に怒られていたっけ。

まあ、ごく内輪の顔見知りには1000円で

こっそり販売したらしいが。

 

 

そんな爺さんの期待に応えるべく、

俺はプロライセンスを更新していった。

もうすぐ憧れの15ラウンド戦えるようになる。

 

 

そうすればタイトルマッチも視野に入る……

そんな矢先だった。

俺は、練習場で倒れてしまったのだった。

 

 

祖父「目が覚めたか」

病院で意識を取り戻した俺を、

爺さんが心配そうにのぞき込んでいた。

 

 

話を聞くと、ボクサーの職業病というか。

脳で出血があったのだそうだ。

本人の気づかないうちに頭蓋内出血が起こって、

もう試合には出られない、と。

 

 

ジン「ライセンス失効か」

規約の事は知っているので、

俺は頭蓋内出血で緊急手術と聞いた時、

プロ生命の終了を悟った。