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【第13話】嫁が事故で半身不随に→嫁の毛布を取った瞬間、俺は理性を失い…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ぼう然となった。 エリコはもう歩けないというのか!? 信じられなかったが、 しかし、医師の所見は事実だった。 エリコ「私、もう歩けないの! 立つこともできないの! 全身に力が入らない...
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【第1話】嫁が事故で半身不随に→嫁の毛布を取った瞬間、俺は理性を失い…
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本編
母は病院から退院できたものの、
面倒を見られる者がいないという
理由から、重病患者も
受け入れ可能なホームに入居し、
しばらくは静かな日々が
続いたものの、長くはなかった。
母の容態が悪くなったという
知らせが入ったのだ。
スカオ「エリコ、すまない。
ホームから来てくれと言われた。
ちょっと母さんの体調が崩れた
みたいだ、入院もありうるらしい。
今後の相談もあるから、
今夜は帰れないかもしれないな」
エリコ「私は大丈夫よ。
スカオのおかげで、一時は
一生寝たきりも覚悟したけれど、
今は車いすに自力で乗れるもの。
一人でも心配ないわよ」
スカオ「子供達を呼ぼうか?」
二人の子供は、どちらも県外に
大学進学していて、自宅にはいない。
エリコを一人にしてしまうのが
心配だったので、そう提案した
ものの、本人は笑っていた。
エリコ「もう9時を回ってるわよ、
今から帰ってこいなんて無理よ。
大丈夫だから、
早くホームに行ってあげて。
こんな時に何もできなくて、
ごめんなさい」
スカオ「俺の方こそ、
一人にしてしまうのが
心苦しいんだが、仕方ない。
行ってくる。」
俺は後ろ髪をひかれる思いで、
自宅を出た。
あの日の夜が思い出された。
とはいえ、いまは母の方が
急を要する。俺は急いだ。
幸い、母は少し発熱した程度で、
俺がホームについた頃には
だいぶ体調が回復していた。
母の居室を訪れたとき、
意外にも元気そうで、力が抜けた。