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【第16話】弟ばかり溺愛する両親「息子だけでいい!」→私が祖父母に引き取られ20年後…
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本編
私の勤務先に、
母が押しかけて来た。
追い払おうかとも思ったけれど、
祖父にあれだけ怒られても
しつこく姿を見せるくらいだ。
ちょっときつく言ったくらいでは、
簡単に引き下がらないかも
しれない。
スカミ「分かりました、
ミーティングルームで会います」
きっちりと引導を渡そう。
自分の手で。
私は決心して、母と会う事にした。
ミーティングルームにいた母は、
私を見るなり涙を流し始めた。
母「ごめんね、スカミ。
私もお父さんも、
今は後悔しているの。
跡継ぎはダイキだけ、
男の子にしか務まらないって
思い込んでいたのよ。
今思えば、スカミを
追い出したのは間違いだったわ」
典型的な泣き落としだと、
私は思った。
以前なら心が揺れたかもしれない。
でも今は、タクヤという
婚約者がいるし、
私の幸せを願ってくれる
育ての親、祖父母もいる。
皆に支えられているという実感が、
私からふらふらしそうな
弱さを取り払ってくれた。
スカミ「そうですか?
私は、追い出して頂けて
感謝していますけど」
母「え?」
スカミ「私が祖父母宅に
行かされた後のダイキ。
あの子も、決して幸せでは
なかったようですね」