前回の内容はこちら▼
【スカッとする話】子供の学歴マウントママ「低学歴が来るとバカがうつるw帰ってw」 帰ろうとすると…【第1話】
こちらもおすすめ▼ 本編 トウゴ「母さん、決めたよ。 俺は進学しない」 一人息子のトウゴが、 気持ちを固めたといった 表情を私に見せた。 高校二年生の春、 いよいよ本格的に 進路を決める時期だった。 一年生の時からずっと、 私、夫カズヒコ、...
本編
トウゴ「ありがとう、母さん。
それで、今通っている塾も
辞めようと思う。
代わりに、行きたい
場所があるんだ」
息子は、よほどじっくり考えて、
細かい計画も立てたようだ。
今後をどうしたいかについて、
熱心に語ってくれた。
いつもより長めの朝食が終わり、
息子が席を立ったとき、
私と夫は顔を見合わせた。
カズヒコ「あのトウゴがなぁ。
ここまで育ってくれたのか。
アスカ、今までお疲れ様だった」
アスカ「あなたこそ、
ありがとう。今時は大学進学
しなきゃ人生が始まらない、
くらいの空気なのに。
トウゴに理解を示してくれて、
私も嬉しい」
カズヒコ「トウゴの人生
だからな。あいつが納得できる
ように生きてくれたら、
俺はそれでいいと思っている。
それに、俺としても嬉しいよ。
俺が諦めた道を、あいつが
選んでくれたんだから」
感慨深そうに、夫が目を細めた。
その気持ちはよく分かる。
息子は、夫が進もうと思って
断念した将来を、まるで
受け継ぐかのように志している。
嬉しさもひとしおだろう。
アスカ「じゃあ手続きや連絡は、
私が引き受けるわ。任せて」
カズヒコ「ああ、頼むよ」
翌日から、私はトウゴの
進路について、本人が希望した
通りになるよう、関係各所へ
連絡して回った。
学校にも顔を出した。