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本編

そのガレージから、何で物音?

明日のドライブに備えて、車用品を

買いに行ったユウジが帰ってきた。

だとしても、こんな音がする?

 

 

ミコ「ママーっ!」

ガレージとつながるドアを押し開けて、

ミコがリビングに駆け込んできた。

 

 

つまり、ミコは今までガレージに

いたという事だ。

え、待って……シュウト君は!?

 

 

ミコ「シュウト君が!

シュウト君が、パパの車を壊したのーっ!」

ええええっ!?

 

 

白いボディの可愛らしいフォルムで

大慌てでガレージに行ってみた。

 

 

そこには、ユウジが大切に大切に管理していた、

フィアットヌオーバ500ジャルディニエラ。

小柄でありながら、最近の軽ワゴンにも見劣りしない、

イタリア製クラシックカーがあった。

 

 

普段から見慣れている、

手入れの行き届いた外見ではなく、無残な姿で。

サイドミラーが折られて、

運転席のガラスも割れている。

 

 

ユウジが何かに使った木材が、

窓に突き刺さっているのが見えた。

 

 

運転席、後部座席、それぞれのドアもへこんで、

はげた塗装が飛び散っているという、

目を覆いたくなる惨状に、

私は血の気が引く思いだった。

 

 

 

ボンネットには、仁王立ちして

雄たけびをあげているシュウト君がいた。

どこからどう見ても、

この子が暴れたとしか思えない。