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【第12話】ランチ中に突然彼氏が店員にジュースをかけた!その理由が…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ああ、美味しそう。 これで多少は空気も持ち直すかな。 そう思ったときだった。 テーブルに置かれたオレンジ ジュースのコップを手に取った タイガが、ひゅっと手首を返した。 ばしゃっとい...
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本編
何が起きたのか
分からなかったらしい女性が、
ようやく立ち直って、
頭をさげたのに、
タイガは鼻であしらう姿勢を
見せた。
声も大きくて、周囲に聞こえて
しまったか、少なくとも異変が
起きたと気づかれたのだろう。
ついさっきまでにぎやかで、
楽しそうだった店内がしんと
静まり、注目が集まっていると
嫌でも感じ取れた。
タイガ「呼ばれたら一回で来いよ、
それが普通の対応ってもんだろ?
何、聞こえないの?
じゃあ呼び鈴でも置けば
いいじゃん、
ファミレスを見習えよな。
恥かかせやがってよ。
この店の接客はどうなってるんだ、
ちょっとTVで取材されたから
って調子に乗って、
客をなめてんのか?」
彼はもはや、私の知っている
タイガではなかった。
居丈高に怒鳴り散らして、
すっかりDQN状態。
日ごろから、彼が距離を
とっているヤンチャ系よりも、
ひょっとしたら態度が悪いかも。
怒鳴られた女性店員は、
名札に赤い枠がついていた。
年齢も若くて、どう見ても
私達と同じくらいの年だ。
クレームに慣れていないと
一目で分かる。
可哀そうに、涙ぐんでいた。