前回の内容はこちら▼
【第9話】興信所に夫の浮気調査を依頼「これは浮気じゃない…」夫の驚愕の正体とは…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ケイキ「というわけで、 俺には肉親とか親戚とか、 そういう関係がほとんどいないんだ」 スカコ「そうだったのね。 ごめんね、知らなくて」 ケイキ「いいんだよ、 今まで言わなかった俺が悪...
1話から読みたい方はこちら▼
【第1話】興信所に夫の浮気調査を依頼「これは浮気じゃない…」夫の驚愕の正体とは…
こちらもおすすめ▼ 本編 お願いカヨコ。何とか言って。 私は、じっと書面を見つめる 幼馴染に、早くリアクションして 欲しくて、祈った。正確に言うと カヨコ「スカコの考えすぎだって。 全然、浮気の証拠なんかじゃ ないよ、このくらい」 とか何と...
本編
世の中は感染症の流行で、
なかなか落ち着かない
時期でもあった。
私とケイキは話し合い、
とりあえずは世界的なパニックが
収まるまで新婚旅行は
お預けだねという事で合意した。
確かに、この頃は海外どころか
国内にも、気軽に出かけられる
状況ではなかった。
当然フォトウエディングも、
そもそもやってくれる店がない。
みんな休業状態。
ケイキ「やれやれ、寂しい新婚生活の
始まりになってしまったね。
何だか実感がわかないよね」
スカコ「私は、ケイキと暮らせれば、
それだけで幸せだよ。
それよりも、婚姻届を
二人で出しに行きたい。
二人で役所に行って、窓口に書類を
提出したら、実感がわくと思うの」
私にとって、それは写真や
旅行以上に大事なイベントといえた。
行きつけのバーで、友人達に
見守られながら、大切に心を込めて
署名した用紙、私の手元にある。
結婚の事実をかみしめるのに、
この印象深い婚姻届の提出は
一番ふさわしいと考えていたから。
でも、ケイキは渋った。
ケイキ「うーん。
俺、ここが本籍じゃないからなぁ」
スカコ「え?」