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本編

今も作り笑いを

しているようではない。

元カレに対して、本心から

「久しぶり!」と思っている。

そんな風に見えた。

 

こちらは動揺したけれど、

お祝いの席だ。

気を取り直し、

大人の対応を心掛ける。

 

話はスムーズに進んだ。

席上、新居の話が出て

 

ワルミ「私、新築に憧れてるんです。

ずっとマンション暮らし

だったから、一戸建てっていいなって」

 

持論を語りだした。ツバサは

そっと顔をそむけた。

トラウマがうずいたのだろうか。

黙って聞いていると

 

ワルミ「ショウ君のおうち、

一軒家だって聞いたから。

そこで暮らしたいなぁ」

 

母「え?うちで?

そりゃ一軒家だけど、

築30年を超えていて、

間取りは同居向けでもないし」

 

母は戸惑った様子だった。

ワルミはにこやかに

 

ワルミ「これを機会に、

建て直しませんか?

二世帯にしましょうよ」

 

何とも無邪気な提案をしてきた。

びっくりして兄を見ると、

うんうん頷いている。

2人の間では、すでに話は

ついているようだ。

 

ショウ「ワルミが同居を

OKしてくれたんだ。

そもそも、ワルミの提案でね。

妹は結婚してるから、

近くにいられるのは

自分達だけだって」

 

母「そ、そうなの。

急な話で、びっくりしたわ」

 

ショウ「家も古くなっていて、

あちこち直さなきゃ

いけない時期だし。

この際だから、思い切っても

いいんじゃないかと思って」