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【第10話】グリーン車の指定席に知らない大学生が!→妊婦の私から勝手に席を横取りし…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ヒロト「うるさいんだよ、 おばさん。 誰かバカっぽいおっさんとか、 適当に見つけて色仕掛けでもして、 席を譲ってもらえば? 俺は、あんたみたいなおばさん、 相手にしねーから」 スカコ...
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本編
スカコ「とにかくどいて。
そこは私の席!」
ヒロト「うるせーなぁ。
文句があるなら警察呼べよ、
お・妊・婦・さ・ま」
ヒロトは面白がっているのか、
ますます私を煽ってきた。
やばいわ、めまいが……
しかも、こんな時に限って
気持ち悪くなってきた!
つわりの症状まで
出てきてしまったようだ。
耐えきれず、床に
うずくまってしまった。
ああ、胸がムカムカする。
怒りのせいかつわりのせいか、
または両方か。
良く分からないけれど、
具合が悪いのは確かだった。
安全と快適のために、
夫がグリーン車を
手配してくれたというのに。
そのグリーン車で
こんな事になるなんて。
悔しくて、少し涙がにじんできた。
ヒロト「あっれー?
泣いてるの、おばさん?
うわあ、引くわぁ。
お妊婦様はこれだから。
さっさと警察でも何でも
呼べばいいのに。思い通りに
ならないと泣いちゃうのかよぉ、
ガキじゃあるまいし」
ガキにガキ扱いされたくないわ!
怒鳴ってやりたいのは
やまやまだったけど、
いろんなものが混みあがって
きていて、ろくに声が出なかった。
もうどうしたらいいのか。
半分以上はパニック状態
だったと思う。
都会も捨てたものじゃないなんて、
乗車前は軽く浮かれてたん
だけどな。やっぱり、
こんなものなのかな。