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【第6話】グリーン車の指定席に知らない大学生が!→妊婦の私から勝手に席を横取りし…
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本編
滅多に乗る機会が無いグリーン車の
様子にわくわくしながら、
自分の席を探す。
あった、ここだ……って、ええ!?
ヒロト「何スか?」
何で?何で人が座ってるの?
見るからに大学生風の若い男の子
が、どっかりと、私の席の
はずな場所に座り込んでいる。
物凄いくつろぎっぷりだった。
我が物顔とはこの事か。
ポテチの袋に缶コーヒー、駅弁、
暇つぶし用らしい雑誌や単行本が
数冊。みごとに散らかっている。
本人はといえば、大きな耳当て
みたいなヘッドフォンをつけ、
漏れっぱなしの音楽や効果音に
何の注意も払わず、
ゲーム画面らしいものを見ている。
指が忙しく動いて、
ゲーム操作用のスティックを
上下左右にぐりぐり。
そんな態勢で、そばに立った
私の気配には気づいたのだろう、
顔を軽くあげている。
スカコ「あの、ここは
私の席なんですけど」
ヒロト「……」
私を見上げたものの、
すぐにゲーム画面へ視線を
戻した若い男性は、
無言で遊びに没頭している。時々
ヒロト「あー、ちくしょう!
遅いんだよ、反応が!!」
獰猛にうなり、文句を吐き捨てて、
私の事なんかまるで無視。
これ、どうしたらいいの。