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【第8話】嫁と娘が俺を馬鹿にし続けた結果→俺は娘の中学卒業式の日に消えた…
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【第1話】嫁と娘が俺を馬鹿にし続けた結果→俺は娘の中学卒業式の日に消えた…
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本編
カツミ「早いのねえ」
スカオ「早い?
もう11時半だぞ」
カツミ「それがどうしたのよ。
どうせ、またどこかの居酒屋か
焼鳥屋で、友達と
飲んでたんでしょ?
いいご身分だこと」
スカオ「早く帰るなと
言ったのは、カツミじゃないか」
カツミ「誰が飲み歩けって
言ったのよ。残業で遅いなら、
まだいいんだけど、
飲んで帰るなんて
あり得ないでしょ、安月給が」
カツミが、例のごとく
ガミガミ言い出した。
カツミ「そんなに遊ぶのが
好きなら、もう帰って
来なくていいわよ」
スカオ「帰ってくるな?おい、
言っていい事と悪い事があるぞ」
カツミ「ならこれは言っていい事
でしょ。あんた、分かってる?
警備員なんて安月給で、
あんた一人の稼ぎじゃあ、
うちは食べていけないのよ。
だから私がパートに
出てるんでしょうが。
アヤの進路だって、お金が
無いから諦めてだなんて言える?
ダブルワークでもして、
少しでも稼ごうって
気持ちはないわけ?
そんなやる気が無いんだったら、
帰って来なくていいって
言ってるの」
手厳しい言われようだ。
確かに、一理ない事もない。
俺は警備員の仕事に誇りを
持っている。給料だけを
理由に転職は考えたくない。
とはいえ、物価高のご時世で、
娘のアヤに十分な教育をと
考えたら、決して高くはない
俺の給料だけでは
限界があるのも事実だ。