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【第20話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ばきっと音がした。 タイゴではなく、応接セットが 蹴飛ばされ、灰皿だのコーヒー カップだのが華麗に宙を舞った。 ひぃっという悲鳴が漏れる。 社長「おう、その辺にしとけや。 話が進まね...
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【第1話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
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本編
社長「おいおいおい。
聞いてる話と違うなぁ?
俺はまた、てっきり
タクマが後ろを良く見ないで
バックしちまって、
お宅さんのフロントにぶつかって
行ったとばっかり思ってたんだが。
おめえらじゃねえか、
突っ込んできてるのは」
タイゴ「それは、
青信号だったもんで。
すぐ発進しないから」
社長「歩行者がいたんだろう?
全部映ってるぞ?
タクマは歩行者が渡り
終わるのを待ってたんじゃねえか。
この映像見たら、
だいぶ年寄りの夫婦だな。
少しくらい時間がかかっても、
普通、渡るのを待つだろう?」
もうどうやっても
言い逃れはできない。
タイゴはがくっと膝をつき、
リマもがたがた震えていた。
自分たちが、誰に対して
絡んだのか。
法外な修理費用を吹っ掛けたのか。
ようやく自覚したようだった。
社長「この調子じゃあ、
タクマに頼んだブツも、
どえらい事になってるのと違うか」
タクマ「あ、そういえば。
トランクに積んでいるんですが、
どうなったんだろう」
社長「よぉ、兄ちゃん。
聞いての通り、俺はこの男に
とある買い物を運んでくれるよう、
頼んだんだ。
こういう稼業をやってるとな、
一般のサービスってやつを
利用できねえんだわ。
宅配を使いたいところだったが、
仕方なく、タクマに取ってきて
くれと頼んだんだ。
何か、分かるか?」