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本編
私は、とあるアミューズメント
施設で働いています。
ボーリング・カラオケ・ゲーム
センターなどが1つの建物の中に
揃った娯楽施設です。
様々な娯楽を一カ所で楽しめると
あって、施設全体のお客様の層は
幅広く、ご家族連れも
大勢いらっしゃいます。
それまでボーリング場に
配属されていた私が、ゲームセンターに
異動になったのは先月のこと。
異動初日、担当業務の一通りの
レクチャーの後、
上司から教えられたのですが、
このゲームセンターには、
とても“迷惑な一家” が出没する
というのです……。
上司「あのね……。
ちょっと言いにくいんだけど……」
私「え?何でしょう?」
上司「うん……実はね……すごく
厄介なお客さんが居るんだよね……」
私「え!?厄介?」
上司「…しかも、ほぼ毎日
来るんだよ……」
私「えー!?ほぼ毎日ですかー!?」
上司「うん……。まぁ、来たら
教えるよ!今日も来ると思うから!」
私「は…はい……」
口ごもる上司の様子に若干
嫌な予感はしたものの、
私は(まぁ…厄介って言っても、
そんな大したことないでしょ☆)と、
軽く考えていました。
それが、あんなモンスター級の
迷惑客で、まもなくとんでもない
事件を引き起こすなんて!!!
その時の私は、まだ夢にも
思っていなかったのです……。
ゲームセンターの雰囲気に
少しずつ慣れ始めたその日の夕方、
上司がサッと近付いて来て
私の隣に立ち、少し離れた入り口の方を
見ながら小さな声で教えてくれました。
上司「今歩いて来る親子連れが、
朝話してた厄介なお客さん」
小さく頷きながら、
上司の目線の先をそっと伺うと、
母親:A
父親:A夫
そして小学校高学年くらいの
子供:A娘
の、三人連れの家族が、慣れた足取りで
こちらに向かって歩いて来るのが
見えました。
Aは、40代の頭〜半ばくらい?で、
キツネっぽい顔立ちにロングの茶髪。
細身で、出るトコは出ていて、
とてもスタイルが良いのですが……。
(ボディコン!?バブルなの?)と、
思わずツッコミたくなるような服装と
濃すぎるメイクのせいで、トータルでは
残念な感じになってしまっています。