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【第3話】天才の姉だけ溺愛する両親→発達障害の私は犬小屋に放置され…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ノートのチェックでは先生に 担任「もっときれいに 書きうつそうね」 と、何度も注意された。 それは母にも伝わったらしく、いつも 母「恥をかかせるんじゃないよ、 このグズが!」 叱られ...
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【第1話】天才の姉だけ溺愛する両親→発達障害の私は犬小屋に放置され…
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本編
マヤ「お母さん!
今日ね、塾でミニテストがあったの。
私、何位だったと思う?」
母「そんなの一位に
決まってるでしょう、マヤちゃん」
マヤ「当ったりー!
満点で一位だったよぉ」
父「さすがマヤだ、よくやった」
姉がテスト用紙を両親に見せて、
得意げな笑みを浮かべる。
両親は大はしゃぎで、競うように
姉をもてはやし、ほめちぎる。
その様子を、私はリビングに
設置された犬用ケージに閉じ込め
られた格好で、黙って眺める。
すると、三人がこちらを見るのだ。
マヤ「誰かさんは、どうして
100点どころか、
10点も取れないのかなぁ?」
母「ほんとよ。せめて一桁の
点数を見せなさいっての。
いつも0点ばっかり」
父「ここまで勉強が出来ないのは、
逆に才能だな。世の中で
一番いらない才能だが」
口々にそう言っては、大声で笑う。
面白がるのは姉、憎しみの
こもった目で睨んでくるのは母、
見下してバカにするのは父。
三人の様子は、それぞれ微妙に違う。
私は何も言えない。
うっかり何か言えば、
昼のように、また母が
●力を振るってくるだろう。
父は手をあげたりはしない、
でも私が母に殴られたり
蹴られたりしている様子を、
ビールを飲みながら眺めている。
姉はにやにやして、
私がどんなに泣き叫んでも、
絶対に助けてはくれない。
むしろ私が倒れ込み、えずくと、
嬉しそうな笑い声をあげる始末だ。