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本編

私はと言うと、当分の間、

恋愛沙汰から離れていたかったので、

エネルギーを全て仕事に注ぎ込んだ。

 

 

仕事は恋愛と違い、力を注いだ分

きちんと応えてくれるので面白かった。

着々と積み上がっていく成果…

深まる仕事仲間からの信頼…

 

 

そして私はついに、来年度から

チーフに昇進する事が決まった。

部下を取りまとめる役職には責任も伴う。

 

 

不安やプレッシャーも無くはないが、

それすらも楽しいと思える、

今の自分を気に入っている。

 

 

心から理解し合える同僚や友人と過ごす時間は楽しく、

両親と過ごす時間は穏やかで心地よく、

そうやって毎日を懸命に過ごしていくうちに、

あのつらかった日々の記憶も、

徐々に風化してきたように思う。

 

 

しばらく恋愛をお休みしていた私だが、

最近、新しい取引先の男性担当者から

食事に誘われたりしている。

 

 

今までだったら即座に断っていたのだが、

今回は何故だか、行っても良いような

気がしているのだった…

 

 

まだどうなるか分からないものの、

これからは、以前のように不満を

うやむやにする事は無いだろう。

 

 

きちんと話し合い、もし分かり合えないのであれば、

その時はさっさと自分から立ち去れば良いのだと考える、

少し強くなった自分が居るのだった……