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【第19話】母が他界し、母のスマホを解約に行くと…店員「本人じゃないと解約できませんよw」
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 キノシタ「だ、だって…あの時は、 販売コンテストの締め切り 間近だったから… 最新機種の売り上げが欲しくて…… それに…オプションを付けないと、 俺の利益にならないんですよ…」 ...
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【第1話】母が他界し、母のスマホを解約に行くと…店員「本人じゃないと解約できませんよw」
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本編
すぐ他の店員に声をかけ、
私の担当を引き継ぐように
細かく指示を出してから、
次に、また別の店員を呼び寄せて、
コワモテ氏への対応を、
「くれぐれも間違いのないように」と
注意しながら委ねた。
そして私とコワモテ氏に改めて謝罪の
言葉を述べ、深々と頭を下げた後、
般若のような顔でキノシタを
睨み付けると、首根っこを掴んで
裏へと引きずって行ったのだった…
それから、あっという間に
解約手続きは終了し、引き継いだ
担当者からも何度も謝罪を受けた後、
私が席を立った時にはもう、
店内にコワモテ氏の姿は
無かったのだった…
(あれから怒鳴り声も
聞こえなかったし…きっと、
すぐに解決して帰ったんだろうな…)
思い返せば、身も心も削られる
2日間だった……
ショップの外に出た私は、
夕焼け空を見上げながら、天国の母に
愚痴りたい気持ちでいっぱいだった。
(お母さーん!あなたのスマホを解約
するのに、娘は疲労困憊ですよー!)
ため息をついて視線を下に下ろすと、
目の前のベンチに、缶コーヒーを
飲むコワモテ氏の姿があった。
コワモテ「あ、お姉さんも
終わりました?お疲れ様です。
事情はよく知りませんけど…」
疲労のせいで甘いものを猛烈に
欲していた私は、すぐ横の自動販売機
で一番甘そうなネクターを買い、
コワモテ氏の隣に座った。
そして少々愚痴を挟みながら、
事の経緯を大まかに話して聞かせた。
コワモテ「うわ〜!そりゃヒドい…
キノシタの奴、本当にどうか
してんな!!だけど…お姉さんも、
本当にお骨を持って来るなんて!
なかなかのツワモノですね〜!」
自分だって怒鳴り込んで来たくせに、
私の話に大笑いするコワモテ氏。