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本編
時間が余った私は、昨夜、
珍しく一度もお風呂掃除をせずに
終わった事を思い出し、
鼻歌交じりに脱衣所を抜けて
浴室のドアを開けたのだが、
その途端なんだか違和感を感じた。
(あれ…?昨日…お風呂場を出る時、
いつものように洗面器を立てかけて
おいたはずなのに…
今はカランの下に置かれてる…
湯船も…私が出た時には、
もっと水位が高かったはずなのに
減ってるし…もしかして…マサト、
夜中にお風呂に入ったの…?)
おまけに、目を凝らして水面を
見てみると、なんとまた、例の謎の
白いモノが浮いていたのだった!
(えぇ…?また…?)
マサトが帰ってきたら確認してみる
事にして、私はとりあえず掃除を
済ませた。
仕事から帰って来たマサトは、
もうすっかり体調が良くなった
ようで、また靴を脱ぎ散らかし
ながら家に上がってきた。
スカコ「もう…元気になった途端
またこんな…ちょっと病気ぐらいの
方が助かるよ…」
ブツブツ言いながら靴を揃え、
先にダイニングに向かったマサトを
追いかけた私は、早速お風呂の事を
尋ねてみる事にした。
スカコ「ねぇマサト。あなた昨日、
お風呂に入ったの?使った形跡が
あってビックリしたんだけど…」
マサト「え…?あ、あぁ、夜中に
ちょっと…汗かいてたから…」
スカコ「え?でも、バスタオル
使ってなかったよね…?
パジャマも出てなかったし…」
マサト「あ…の、残り湯と小さい
タオルで、体を拭いただけだから…」
スカコ「そうなの…?ふ〜ん…」
(な〜んか怪しい…だけどまぁ…
話の筋は通ってるか…)
そしてその日、マサトが入った後の
湯には、またも白い毛のようなモノが
浮いていたのだった…
(今日はまた…一段と
増えてるような気がする…)
私は一度マサトに聞いてみようと、
謎のモノの一番大きな塊をつまみ
上げ、ティッシュに包んで
残しておいた。