前回の内容はこちら▼
1話から読みたい方はこちら▼
本編
私も事情を聞かれるかと思ったが、
横に立っていた女性警備員は、
「災難だったわね。気をつけて!」と
言い残して去って行った。
騒ぎの人混みが消えると、
少し離れた所から一部始終を
見守っていたサオリが駆け寄って来て、
私達は笑いながら「イェ〜イ!」と
ハイタッチをした。
サオリ「『俺を置いてかないで
くれ〜!』だって!!(笑)最高〜!!
アイツ半泣きだったね!!」
スカコ「お望み通り、一目息子に
会わせてあげたんだから、
これでいいよね?……だけど……
ちょっと可哀想だったかな?」
サオリ「いいよいいよ!
アイツだって、もういい大人なんだ
から!自分で何とかすればいいんだよ!
スカコは、勝手に押しかけて来た
元旦那を無視してただけなんだし。
何も悪い事してないよ!腕掴んで
怒鳴ってきたのはアイツじゃん!
赤ん坊を連れた女性にそんなこと
するなんて、立派な暴力だよ!
この国じゃ許されないよ!
荷物盗られたのだって、
完全に自業自得だよ!!」
スカコ「そうだよね!……でも……
タツヤ、どうなっちゃうんだろ……」
サオリ「心配しなくていいって!
死にゃしないよ!(笑)
そんな事よりお腹空いた!何か
美味しいものでも食べて帰ろうよ!」
スカコ「そうだね(笑)そうしよう!」
サオリ「それにしても…。まんまと
ギャフンと言わせてやったね!(笑)」
スカコ「そうだね!あれは見事な
ギャフンだったね!(笑)」
私達はスッキリとした気分で
空港を後にした。
帰りの車の中、鼻歌混じりに
運転するサオリの横で、
私はタツヤの番号を着拒した。
この日、私は本当の意味で、
タツヤとオサラバしたのだった…。
今、私はとても楽しく快適に、
息子と二人で海外生活を
謳歌している。
せっかくなので、週末には
近くの公園でピクニックをしたり、
人気の観光地に出向いたりして、
観光気分も満喫している。
ここには何年居れるか分からない
ので、出来るだけ息子といろんな
場所に出向き、写真を沢山撮って、
思い出を残しておこうと思っている。
息子の成長を見守りながら、
一生懸命働く。海外ならではの
シングルライフを楽しむつもりだ!
いい出会いが有れば、カッコいい
外国人と、デートだってしちゃうん
だから!…なんてね(笑)
完