前回の内容はこちら▼
1話から読みたい方はこちら▼
本編
レンくんは、トモミさんが
止める間も無く、タタタタ〜ッ!と
走って行ってしまった。
走って行った先で、ドアがバタンと
開閉する音がし、やがてレンくんが、
「こっちこっちー!」とパパの手を
引っ張って戻ってきた。
(あれ?さっき…今日旦那さんは
仕事で居ないって言ってたのに…。
もしかして、トモミさんから
『出てこないでよ!』とか
命令されて、ずっとお部屋で
息を殺してたのかな…。
息子のお誕生日会なのに…。)
旦那さんは、不精ひげ・ボサボサ頭・
ヨレヨレのジャージ姿の三重苦で
リビングに登場した。
私はただただ気の毒に思ったが、
ママ友たちは眉をひそめ、
ドン引きを隠そうともしなかった。
トモミ「レンくん!!
何でパパ連れて来るのっ!?
あなたも!!そんな格好で
出てこないでよっ!!」
レン「パパー!ママがね、パパに
内緒でいけないことしてるんだよ!
僕をお部屋に閉じ込めて、
知らない男の人とおうちで
遊んでるんだよ!!
ねぇパパ、ママは間違ってるよね〜?
それに、いっつもメイちゃんと
メイちゃんママに
意地悪するんだよ!!」
旦那さん「……それはいけないね〜。
レンくん、その、知らない男の人の
こと、パパに教えてくれる?」
トモミ「ちょっと〜!子供のデタラメ
を真に受けないでちょうだいよ〜!
さ、さぁ!!ケーキケーキ!!
早くケーキ食べましょ!!」
わざとらしく手を叩きながら、
キッチンにケーキを取りに
行こうとするトモミさん。
レン「デタラメじゃないもん!!
パパには内緒だよって、
ママ言ってたもん!!」
トモミ「うるさいっ!!!
ガキは黙ってろっ!!!」
レン「だって〜…。ママ…
知らない男の人がおうちに来たら…
いつもボクに…
お部屋でお勉強してなさいって…
出て来ちゃダメって…
怒るじゃないかー!!
うわーーーん!!!」