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2025.11.30
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2025.11.03
本編
本当に目と鼻の先だが
いつも通り過ぎるだけなので、
直接訪問するのは今回が初めてだった。
ガラス張りの清潔感溢れる会社の１階は、
主力商品や会社の歴史、企業理念を
紹介する展示スペースとなっていた。
建物の２階部分が事務所となっており、
１階の受付に座っている方に
「アヤミさんに用があってきた」
と話をすると、受付の方は
内線を誰かに繋いで
確認をとってくれた。
しばらく待っていると、受付の
すぐ横にある階段から
パタパタと足音が聞こえてきて、
中年の女性が現れた。
毎日事務所の２階で業務に
あたっている経理だ。
スカコ「お忙しいところ恐れ入ります
副社長のニヘイアヤミ様は
ご在席でしょうか？」
経理「ただ今外出しておりますが」
スカコ「そうですか…
では、社長様は？」
経理「おりますが…
アポイント取っておられますでしょうか？
どういったご用件で？」
経理は怪訝な顔でそう述べた。
しかし、こののちカウンターの
上に並べられた物が「普通の落とし物」
ではないことに気づくと、
その表情は明らかな動揺へと
変わっていった。
