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本編
私もせっかく
授かったのだから、
産みたい。そう思った。
となれば、とにかく
私の両親へ報告しなきゃ
いけない。
という事で母を通じて
父に連絡し、実家の
和室で二人並んで正座、
事情を話したのだった。
父「察しはついているが、
ちゃんと話してくれ」
父に促され、タクマは
上半身を起こした。
私もつられて姿勢を正す。
彼はきりっとした
顔をしていた。
タクマ「お嬢さんを
僕にください」
昭和のドラマでしか
聞かなそうなセリフを、
彼は真顔で言った。
私はごくっと息をのむ。
父「タクマ君だったかな?
君はまだ卒業して
いないんじゃないのか」
タクマ「はい、
卒業見込みです。
ですが、市役所に就職が
決まっています」
父に聞かれて、
タクマは現状を話し始めた。
彼はまじめで優秀というのが
周囲の評判、難関と
言われている公務員試験も
しっかり合格を勝ち取った。
毎年6月から8月にかけて
行われる地方公務員試験を、
1次から3次までするする
突破し、9月までには
内定を決めたのだ。