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本編

父「もう何度も教えただろうが、

本当に物覚えが悪いんだな

おまえは!

 

 

人の話を集中して聞かないから、

いつまで経っても教えが

身につかないんだ!

 

 

リリカ、頭の悪いお姉ちゃんに

教えてやってくれないか」

母「リリちゃんなら分かるわよねぇ?」

 

 

 

二人とも私には、

とても冷たいけれど、

妹にはとても優しい。

理由は簡単だった。

 

 

リリカ「お姉ちゃん、ばっかみたぁい。

あのね、リリカ知ってる。

パパに教えて貰ったもん。

 

 

負け犬ってね、きょーそーに

勝てない人、いつも負けて

逃げる人のことだよー」

 

 

妹は、頭がいい。

この時のリリカは小学校1年生だ。

でも、大人っぽい感じで、

親の期待にはいつも応えていた。

 

 

張り切って回答する妹を、

お父さんもお母さんも褒め称えた。

 

 

父「そう、その通りだ。

さすがリリカは賢いな。

 

 

1年生のリリカが、

しっかりお父さんの教えを

覚えていると言うのに、

おまえときたら!」

 

 

母「ほんと、スカミは

何をやらせてもダメねえ、

リリちゃんの方が優秀よ」

 

 

……実は、いつもこんな感じだ。

私が失敗すると、

必ずひどい言葉を投げかけてくる。

左右からステレオのように。