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本編

俺としては、他に言いようがなかったんだが、

ゲントは煽られたと受け取ったらしい。

 

 

一人で怒って、人を貧乏人だのボクサー崩れだの、

さんざん罵ってくれたものだった。

ミオが顔をしかめた。

 

 

ミオ「ゲント君、あまりいい噂を聞かないんだけどね。

ソノコとも夫婦仲が上手くいってないみたいだし」

ジン「何だ、俺に八つ当たりか?

 

 

ミオ「それは分かんないけど。

ソノコばっかり働かせて、

ゲント君はほとんど何もしてないらしいの。

それなのに、またお店増やすの?

ソノコが倒れちゃう」

 

 

ジン「そっか。いろいろあるんだな。

俺には何もできないけど、もし相談とかされたら、

それなりに頼れる人脈はあるからさ。

ソノコさんに言っておいてよ」

 

 

とまぁ、こんな話がきっかけになって、

俺とミオは急接近した。

ちょうど、寿司職人を辞めるという祖父が、

俺にとある話を持ってきた。

 

 

祖父「職人は無理でも、経営はどうだ?」

ジン「え、経営?」

祖父「俺の勤めていた店のオーナーがな、

後継者を欲しがっているんだ。

おまえ、挑戦してみないか?」