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本編

時代の流れは俺に来たか!?

とか思ったものの。

後輩「何ですかジン先輩。

めちゃくちゃ不満そうですね?」

ジン「応援に女子がいない……」

 

 

後輩「来るはずないでしょー、

分かってるでしょう?」

ジン「うん、分かっちゃいた。

ボクシングはマイナーなんだろうな、やっぱ」

 

 

後輩「まぁ、格闘技ですからねぇ。

オリンピック出場できたら、

一挙にモテるんじゃないですか」

ジン「インターハイじゃダメか?」

後輩「優勝か、せめて準優勝なら」

 

 

会場の体育館には、部活の先輩後輩、

中学時代の友達、そして家族。

女性といえば、母ちゃんくらい。

ものの見事に野郎ばっかり、あんまりだ。

 

 

ジン「一人くらい居ないのかよ、

クラスを代表して声援を飛ばすような子」

後輩「ジン先輩のおじいさんなら、

めっちゃ張り切ってらっしゃいます」

 

 

後輩がそう言って、観客席をちらっと見た。

うわぁ。

爺さんが……うちの爺さんが、悪目立ちしてるよ。

まだ試合は始まってないのに、鼻息荒くして立ち上がってる。

祖父「ジン、勝てよーっ」

でかい声で騒ぐ騒ぐ。