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本編

鏡を見るまでも無い。

顔面から、フローリングに突っ込んだのだ。

そしてこの手触り、口の中の異変。

 

 

痛みに耐えて立ち上がり、

ヒロヤを振り向いた。

よっぽどの形相だったに違いない。

 

 

 

やってやったぜ!

みたいな雰囲気だった彼が、

一気に顔色を失った。

額に汗が滲み始めている。

 

 

 

ヒロヤ「あ……あの、ス、スカコ」

スカコ「うっさい!」

 

 

 

話すことなど、何もない。

ていうか、痛くて喋るどころじゃない。

もう荷物もまとめる余裕はない。

 

 

とりあえず、最低限の私物だけ持ち、

まだぼけっと突っ立ってるアホ旦那を見放して、

私は家を飛び出した。

 

 

実家の、主に父の理解を得る目的で、

私はあえて鼻血の応急処置のみ

手早くした状態のまま、

両親の元へ帰った。。

 

 

 

スカコ父「どうしたんだ!」

 

昭和的価値観の父も、

妻への暴力は許容範囲外だったらしい。

 

 

 

スカコ父「これ以上は我慢しなくていい!

こちらが下手に出ていたら、

図に乗りやがって!

誰が暴力を振るっていいとまで言った」

 

と大噴火した。

 

 

スカコ母「なんでこんな事に」

スカコ「突き飛ばされたの。

私が、自分の思い通りにならないからって」