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本編

アツミ「こっちも用事なの。

すぐ終わる用事だから。

じゃあ金曜日にね」

 

あっというまに

押し切られてしまった。

問答無用で「嫌です無理です

来ないで」と言えばよかった。

ああ、肝心な時に口が回らない。

私のばか。

 

とは言ったものの。

用事って何だろう。

あんまりいい予感はしない。

でも気になる。どうしよう。

 

考え込んだけど、回避する名案は

いきなり閃いたりはしなかった。

それに用事っていうのが、

とっても気になる。

これは逃げずに、ちゃんと

聞かなきゃいけないのでは?

 

そうも思ったりして。

結局は、アツミさんと

シュウト君を迎える事に決めた。

 

アツミ「こんにちはぁ」

 

当日の午後1時。

何だかやたらと大きな

手土産を持って、アツミさんは

我が家の玄関に立った。

 

アツミ「これ、フルーツよ。

超高級店で買ってきたの。

アスカさんでも知ってるくらいの」

 

うーん、フルーツね。

確かに包装紙は、贈答品や外国人

観光客向けで有名な店のもの。

この人、こないだもフルーツで

マウントとってたよね。

 

アツミさんの頭の中には、

フルーツ=高級=金持ちのシンボル

みたいな図式があるのかな。