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【第8話】夫が私にプロポーズしたのは親の指図だった!→真実を知り家を出ようとした瞬間…
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【第1話】夫が私にプロポーズしたのは親の指図だった!→真実を知り家を出ようとした瞬間…
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本編
義母「あたしが心配りして、
近所さんに声かけて、
衣装を貸してもらってるんだよ。
ケチをつけようってのかい?」
スカコ「違います。両親が、
一人娘を送り出すのに、
衣装を調えたいと
言っておりまして」
義母「あんたの親の出る幕なんか
ないんだよ。あんたも、図々しく
出しゃばらせるんじゃないよ」
えらい剣幕だった。
どのあたりがずうずうしいのか、
私にはさっぱり分からないが、
義親が「式は自分たちが仕切る」と
意気込んでいるのは、
よく分かった。
義母「衣装選びには、
女親を呼んでもいい。
それも風習だから、仕方ない。
呼びな。それだけだよ」
スカコ「は、はい」
何で私が下でに
出なきゃいけないのか、
これまたさっぱり分からない。
しかし、気迫負けとでも
いうのだろうか、
それとも若かったからか。
私は、ついつい
引き下がってしまった。
義実家に初めて入った私は、
ぎょっとなった。
何という、見事なまでの
ゴミ屋敷だろう。
部屋という部屋は、
足の踏み場もなく、
紙くずやら脱ぎ散らかした
服やらで、埋め尽くされていた。
台所は油まみれ、シンクには
カピカピになった皿、お茶碗、箸。
せめて水につけておけばいいのに、
それさえしない。