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【第17話】弟ばかり溺愛する両親「息子だけでいい!」→私が祖父母に引き取られ20年後…
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【第1話】弟ばかり溺愛する両親「息子だけでいい!」→私が祖父母に引き取られ20年後…
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本編
母「どうして、ダイキの事を?」
スカミ「行きたくもない塾や
留学に行かされ、やりたくもない
サッカーを無理強いされ。
友達は親が選ぶとかで、せっかく
できた友人は遠ざけられて、
相性が悪い相手と仲良くしろ
なんて言われ続けて。
知ってますか?
あなた方が選んだ「良い友達」と
やらが、ダイキを何度も恐喝して、
お小遣いを巻き上げたり、
ゲームソフトを持ってったり
していたのを」
母「えええっ!?」
母が驚くのにもかまわず、
私は淡々と続ける。
これは、弟ダイキ本人から
直接聞いた話だ。
少し前に、とても驚く
出来事があった。
ダイキから電話が来たのだ。
ダイキ「姉さん?
俺が姉さんって呼ぶの、
きっと初めてだよね」
スカミ「ダイキ!?」
ダイキ「俺、もうあの家に
帰らないから。
俺には俺の生き方があるよ。
大学の講義で、自主と自立を
テーマにした論文を読んだんだ。
俺はもう成人しているん
だし、自分の人生は自分で
決めていいって。
講義を聞いて本気で決心した。
だから、家を出たんだよ。
二度と帰らない。
姉さんにも、
会う機会は無いかもしれないから、
電話だけでもしておこうと思って。
姉さん、元気でね。
幸せになってくれ」
弟の声は、子供の頃に
聞いていたものより低く、そして
思っていたよりも力強かった。
弟も決して幸せではなかった、
両親に愛されていた
わけじゃなかった。