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本編

スカコ「もう閉まってるん

じゃない?」

 

ミカコ「まだ開いてるわよ、

今の季節なら午後6時まで。

私、昔行った事があるの。

とてもいい神社よ」

 

ミカコはぐいぐいと押しが強い。

どうしよう。

 

スカコ「紹介ありがとう。

次のお休みに、旦那と

行ってみるね」

 

とりあえず、やんわり断ってみた。

しかしミカコは引かなかった。

 

ミカコ「場所を知らないのに

行ける?ご主人と参拝するなら、

なおのこと、今日は

下見しておかなきゃ。

さ、次の駅で降りるわよ」

 

かなり強引に押し切られて

しまった。

もう、周囲を見渡す余裕もなく、

まるで引きずられるようにして、

私は電車を降りてしまった。

ああやってしまった……。

 

ミカコ「ちょっと歩くけど、

大丈夫よね」

 

スカコ「う、うん」

 

骨盤の関係らしく、これまでは

お腹が目立っていない私だった。

今も、自分から言わなきゃ

妊婦だとは分からないかも。

だとしても、お腹には

確かに子供がいる。

 

正直言って無理はしたくない。

だけど。もう駅のホームに

来てしまっている。

仕方がない、さっさと

参拝して帰ろう。

安産祈願なら改めて、夫と来たい。

 

スカコ(とりあえず

ミカコの気が済むようにして、

用が済んだらすぐ帰ろう。

旦那に迎えに来て

もらってもいいかな)