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【第21話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 社長「おいおいおい。 聞いてる話と違うなぁ? 俺はまた、てっきり タクマが後ろを良く見ないで バックしちまって、 お宅さんのフロントにぶつかって 行ったとばっかり思ってたんだが。 お...
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【第1話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
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本編
タイゴは返答する気力もなかった
のか、弱々しく首を振った。
社長からの頼まれ事。
それは、ある美術品だった。
具体的にいうと、陶製の壺。
裏社会系のアイテムではなく、
純粋に社長の趣味だという。
社長「実はな。俺は骨董に
目が無くてな。先代からいろいろ
教わって、俺も目覚めたんだよ。
その先代が、人間国宝級の
陶芸家に発注して、
特別に作ってもらった壺だ。
やっと送られてきたんだが、
まぁこんな稼業のせいで、
受け渡しもままならなくてな。
タクマに頼んで、輸送品を
中継してくれる知り合いのところ
へ、取りに行ってもらった。
よりにもよって
そのブツを運んでいる車に、
おまえらは突撃を
かましちまったワケだわな。
いいか。その壺は
8000万の値打ちだ」
タイゴ「は、8000万!?」
社長「本来なら、
1億がつくところを、
昔からの付き合いだって事で、
値引きしてくれたんだ。
それでも8000万。
ひび一つ、割れ一ミリでも
入ってたら、何もかも
台無しって代物だ。
さて、無事だといいな?」
社長のにやっとした笑いで、
タイゴもリマもノックアウト。
二人とも顔色を失い、
へたり込んでしまったのだった。