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本編
スカコ「あのぉ〜…ワルミさん…
すっかり浮かれてらっちゃる所、
申し訳ないんですけど……
私はもう、あなたと取り引きを
する気はありませんよ?」
ワルミ「…え?…は?な…なんで?」
スカコ「なんでって……」
ワルミ「スカコさんたら…!!
意外と空気読めないのね!!
私がせっかく完璧な
アイデアを出してるのよ?!
スカコさんが取り引きを
再開すれば、全てが丸く収まるの!!!
それなのに…自分勝手なこと
言わないで欲しいわ!!!」
(『空気読めない』も、『自分勝手』も、
あんたにだけは言われとう無いわ!!!)
私は大きく息を吐き、
一旦怒りを収めてから再び口を開いた。
スカコ「お言葉ですけどね、
自分勝手なのはワルミさんの方でしょ?!
大量のお肉を注文しておきながら、
配達したら突然キャンセルして……
訴えるなら業界で
やってけないようにしてやるだの、
お肉を無料で置いていかなきゃ
取り引き停止だの、無茶苦茶な事を言って……
一方的に切り捨てた挙句、
嘘の噂まで流したくせに!!
自分が窮地に立たされたら、
『もう一度チャンスをあげる』ですって?
よくもまぁ、そんな図々しい
頼み方が出来ましたね!!」
カネナリ「スカコさん…
今の話は本当なのか?!」
キヨカ「本当ですよ〜?
業界でも噂になってましたもん!
酷いですよね〜!!
カネナリ専務は、この話、
ご存知なかったんですか〜…?」
カネナリ「いや……
ここまで酷い話だとは、聞いてなかった。
スカコさん、言ってくれれば
少しは力になれたのに!」
スカコ「いえ、カネナリさんに
ご迷惑をおかけする訳には……
それに、意外とダメージは
少なかったんです!
キャンセル肉は、キヨカさん始め、
取引先の皆さんが買い取って下さったし、
誹謗中傷も、信じる人は少なくて……
だから大丈夫だったんです」
カネナリ「そうか。スカコさんの
普段の姿勢が、信頼を得ていたんだな。
良かった…遅ればせながら安心したよ」
スカコ「どうもありがとうございます!」
カネナリさん、私、キヨカさんが
微笑み合っているのを、
面白くなさそうな顔で眺めていた
ワルミさんに、私は改めて話しかけた。