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【第20話】毒親の母が893の事務所に俺の履歴書を送り、俺の就職が決まった→20年後…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ジン「助けてくれ?あんた、そんなに 俺に好かれてると思ってた?」 母「え?いえ別に、 すごく好きってわけじゃない…… のは分かってるわ」 ジン「じゃあ、これ以上は 粘っても無理だから...
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本編
母「ジン、助けて!
お願い、援助しなくてもいいから、
キツい仕事だけは勘弁して!」
ジン「連れてけ。
きっちり働いてもらえよ」
俺は、騒ぐ母親が連れて
いかれるのを見守った。
すっかり、極道の世界に
馴染んだなと思いながら。
母親は、皿洗いから夜間の
工事現場まで、ありとあらゆる
厳しい環境の仕事に
送られることになった。
俺がにらんだ通り、
男の間をふらふらした挙句、
ついには極道の女になったは
いいものの、そのまま落ちぶれて、
助けを求めてきたのだ。
もちろん、助けるものか。
今まで遊んだ分を、しっかり労働で
埋め合わせろという気分だった。
その話をカノウの兄貴、違った
オヤジにしてみたら、笑われた。
カノウ「甘ちゃんも卒業して、
ちゃんとケジメとれる男に育ったな」
ジン「俺がですか」
カノウ「母親にも容赦しない男なら、
周囲に充分にらみが効くだろうよ。
いいオヤジになれるさ。
ビビったら、この世界じゃ
生きていけねえ。
ちゃんと学んだようで、何よりだ」
ジン「俺がここまでこれたのも、
全てカノウのオヤジのお陰です。
これからも、俺はこの道で
生きていきますよ」
俺と恩人との、男の誓いだ。
奇妙な縁で巡り合ったものだが、
まぁそれも人生だろう。
俺は心からそう思うのだった。
完