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【第11話】グリーン車の指定席に知らない大学生が!→妊婦の私から勝手に席を横取りし…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 スカコ「とにかくどいて。 そこは私の席!」 ヒロト「うるせーなぁ。 文句があるなら警察呼べよ、 お・妊・婦・さ・ま」 ヒロトは面白がっているのか、 ますます私を煽ってきた。 やばいわ...
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本編
誰か、車掌さんでも呼んで
きてくれないかな……無理か。
こんな不毛な言い争いに
関わりたくなんかないよね。
もういっそ、諦めた方が
いいのかも。
そう思った時だった。
チナ「お姉さん、だいじょーぶ?」
リン「やばくね?
顔色悪いってーか、無いよ?」
若い女の子の声がした。二人も。
え?うずくまったまま、
ゆっくり顔をあげてみる。
強い香水の匂いがした。
キラキラしたメイクの女子が二人、
私をのぞき込んでいる。
一人はハンカチを
差し出してくれていた。
リン「ちょ、チナ!
あんたクサっ!
スメハラだよ、スメハラ!
お姉さん、お腹に
赤ちゃんいるんでしょー?
匂いきついのマジやばい」
チナ「リンこそクサいっつうの。
お姉さんごめんねー?
うちら、コスメびんびんだしー、
そりゃ匂うよね」
きゃあきゃあと明るい声で、
二人は言い合い、
私にハンカチを渡してから
視線を別のところに向けた。
ヒロトという
アクリルホルダーの持ち主に。