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【第16話】30年取引してきた老舗ステーキハウスに納品当日「肉1,000万分納品なしで」→向かいにあるステーキハウスに納品を始めた結果…
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本編
カネナリ「ご歓談中失礼。
先程タカウマ亭に行ったんだが、
ワルミさんはこちらに
来られていると聞いて来ました。
ワルミさん、この後、
少しお話宜しいですかな?」
ワルミ「あらまぁ〜!!カネナリ専務〜!!!
わざわざこんな所まで足をお運び頂いて〜!!
どうも申し訳ございません〜!!」
ワルミさんはさっきまでの
鬼婆フェイスとは打って変わった
福々しい笑顔を浮かべ、
絵に描いたような揉み手&低姿勢で、
カネナリさんに媚を売りまくった。
カネナリ「いやいや、構いませんよ。
こちらこそ、お話中に押しかけて申し訳無い。
至急お伝えせねばならない事が有りましてな…」
ワルミ「あらっ!!何でしょ??
ご要望でしたら、何なりと
お申し付けくださいませ〜!!!」
カネナリ「いや…こちらの皆さんと
お話中だったのでは?
私の方は、お話が終わるまで待ちますが…」
カネナリさんは私とキヨカさんを見ながら、
申し訳なさそうに軽く頭を下げてくれた。
私は、
(さすが、人の上に立つ人物は、
周囲への気遣いも完璧だな〜…)
と、改めて感心したのだった…
ワルミ「いえいえ〜!!
この2人はどうでもいいんですのよ〜!!
ただ世間話をしてただけですから〜!!
でも……そうね。折角ですものね?
あなた達、こんなチャンス
滅多に無いでしょうから…
ご紹介だけはしてあげようかしらね〜!」
ワルミは恩着せがましくそう言うと、
大袈裟に咳払いをしてから、
うやうやしくカネナリさんを紹介した。