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本編
キヨカさんはまだ年若く、
一見自信なさげで、
か弱い乙女のような雰囲気ではあるものの、
中身は意外にも、かなりのしっかり者だった。
そればかりか、ワルミさんより数段上の、
肝の座ったところを感じさせ、
私は、ただただ感心してしまうのだった…
ワルミ「ハッ!ど素人が、
知ったような口きいちゃって!ww
だいたいねぇ、あなた、
場所選びからして間違ってんのよ!!
ウチの店の近くに、ステーキ丼なんて
貧乏臭い店を開店するなんて、
ビジネスセンスのカケラも無いじゃないの!!
まさか……ウチに勝てるとでも
思ってるの???www」
キヨカ「え〜?勝とうだなんて、
最初から思ってませんよ〜?
ただ、ターゲット層に対する立地条件や、
人の流れなんかをトータルで考えた結果、
この場所になっただけです〜。
タカウマ亭さんの近くになったのは、
たまたまです〜。でも…
お互いに、良い相乗効果が
出るんじゃないかって思ってますよ〜?」
ワルミ「相乗効果ですって!?
なに勘違いしてるんだか…ww
ウチとこの店じゃ、
全く格が違うじゃないの!!!
ウチの店は創業60年!!
それに比べてこの店は何?
1年以内に潰れるんじゃないの〜?www」
キヨカ「ウフフ♪どうでしょうね〜?
私は一生懸命頑張るだけです〜!
この先、どちらのお店が生き残るかは、
お客様が決めることだと思いますよ〜?」
(本当にその通りだ…キッチン・キヨカは、
評判が評判を呼んで、連日長蛇の列…
SNSでも頻繁に取り上げられてるし、
お肉の仕入れも売り上げも、右肩上がり…
一方タカウマ亭は、業界内で良くない方で
噂になってるのに…ワルミさんは
気付いてないのかしら…??)
ワルミ「あなた、どこまでも自信満々ね〜!ww
だけどね、タカウマ亭は
この先安泰だって確定してるのよ!!!
なにせあの、SKTホールディングスの
御用達になるんだから〜!!!www」
キヨカ「SKTホールディングス〜…?!」
ワルミ「そうよ!!w驚いたでしょ〜?
あなたなんかの店には、逆立ちしたって
真似出来ないでしょうね〜!ww
あなた、もう負けが
確定しちゃってるのよ〜!!!」
スカコ「ワルミさん…いくら大口の
お客様を獲得したからって、
そんな言いかた無いじゃないですか!!」
ワルミ「はいはいはい。
弱者は弱者の味方をするものよね〜!ww
構わないわよ?せいぜい
今のうちに庇い合ってれば〜?
負け組同士、共に消えゆく
惨めな運命なんだから〜!!www」
その時、道路脇に高級車が停まり、
運転手が素早く開けたドアの中から、
1人の紳士が姿を現した…