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【第11話】30年取引してきた老舗ステーキハウスに納品当日「肉1,000万分納品なしで」→向かいにあるステーキハウスに納品を始めた結果…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 スカコ「あ…いらっしゃいませ!」 キヨカ「こんにちはぁ〜……」 まだ年若いその女性は、 おずおずと話を切り出した。 キヨカ「初めまして。あの〜…… 今ってちょっと…お時間頂けますか〜...
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【第1話】30年取引してきた老舗ステーキハウスに納品当日「肉1,000万分納品なしで」→向かいにあるステーキハウスに納品を始めた結果…
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本編
(まぁ、狭い業界だから…
どの店がどの精肉店から
仕入れているかなんて、
すぐに分かる事だけど……
それにしても、噂が回るのって、
こんなにも早いものなんだ……)
キヨカ「あの〜…それで〜…
今なら、うちの店、こちらと
取引させて頂けますでしょうか〜…?」
セイジ「えぇ!もちろんです!喜んで!!」
スカコ「ありがとうございます!!
宜しくお願いします!!」
キヨカ「わぁ〜〜!!!嬉しい〜〜!!!
これでうちのステーキ丼も、
もっともっと美味しくなります〜!!!」
セイジ「じつは…タカウマ亭さんに
キャンセルされた肉が、まだ残ってるんです。
サービス価格で提供させて頂いてるんですが、
品質は最高級。通常のお品と
全く遜色ございません。
もし良かったら、まずはその肉で
お試しになるのはいかがですか?」
キヨカ「え〜〜〜っ!!本当ですか〜???
ありがとうございます〜!!!」
キヨカさんは満面の笑みを浮かべ、
小さく飛び跳ねながら喜んでくれた。
うちの店としても正直、大助かり!
キヨカさんのお陰で、タカウマ亭さんの
キャンセル肉は全て売り切ることが出来た。
『捨てる神あれば拾う神あり』
とはこの事だ!と、
私も、セイジも、社員のみんなも、
ホッと胸を撫で下ろしたのだった……
そして、お試し頂いた結果、
キヨカさんはうちの肉を
大層気に入ってくれて、
正式に契約を結ぶ運びとなった。