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本編

私はタイガをなだめた。

彼は面白くなさそうな顔をして、

先に順番待ちしている4組の

グループを軽くにらみつけていた。

え?え?

この人は、本当にタイガ?

 

スカミ(いつもの

タイガじゃない感じ。

どうしちゃったんだろう)

 

彼といる時の、幸せな

どきどき感とは違う。何だか怖い。

いつもの彼とは別人な、

気が短くて思い通りにならないと

不快感をあらわにする、

そんな人柄を目の当たりに

している、嫌などきどき感が

せりあがってきた。

 

スカミ(……違うよね。

思い通りにならないから、

イライラしているとか。

そんなんじゃないよね。

きっと私を気遣って、早く私を

座らせてあげたいと思って。

ちょっと焦っちゃった

だけだよね?)

 

その、不安をかもしだす胸の

高鳴りを、私は否定したかった。

きっと私を思っての事だ。

そう考えた。

 

少しずつ順番が進んで、だいたい

30分くらい待っただろうか。

やっと席に案内された。

席に座ると、タイガの

ぴりぴりした雰囲気も和らいだ、

ように見えた。

 

スカミ「メニュー見ようよ」

 

できるだけ明るく振るまおう。

私はにっこり笑って、

メニューを手に取った。