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本編

もにょもにょ、我ながら歯切れが

悪い初めての挨拶だった。

そんな俺に、マスミは

にこっと微笑んだ。

俺はその瞬間、思い切り

極楽モードへ突入した。

 

一次会の食事はもちろん

俺のおごり。

二次会も、ちょっと頑張って、

高めのバーへ行ってみた。

 

実は、めったにない会社の

飲み会で、一回だけ来たことがある

雰囲気のいいところだった。

内心では恐る恐る、でも表面は

いかにも常連みたいな顔をして、

俺はマスミとシュントを案内した。

 

シュント「俺、一杯だけ

つきあったら帰りますよ。

あはは、俺も彼女と約束が、ね」

 

スカオ「そっか、まぁ確かに

彼女がいるって言ってたもんな。

今まで連れまわして悪かったよ。

彼女によろしくな」

 

シュント「はーい、

ありがとうございます。それじゃ、

後はお二人でどうぞごゆっくり」

 

シュントはへらへらしながら

一杯だけカクテルを飲み、

そそくさと帰って行った。

 

ああ、なんていいやつなんだ。

これからはシュントさんと呼ばせて

頂くのも、やぶさかではない。

 

そんな調子で初めての飲み会を

終え、ID交換もできた。

さっそくやり取りが始まった。

マスミはとても積極的に、

すぐラインを送ってくれたし、

返信も早かった。

 

次の週末には二人で晩ご飯に行こう

と決まり、その翌週には水族館。

あれよあれよという勢いで、

一か月が過ぎようとしていた。