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本編
ワルミ「おたくの肉、確かに品質は
良いのかも知れないけどね…高いのよ!!
先代からの付き合いだから、
今まで惰性で注文してあげてきたけど、
本当はず〜〜〜っと不満だったの!!
じつはボッタクリ価格なんじゃないの〜?!」
スカコ「ボッタクリって……
失礼なこと言わないで下さい!!
確かに価格はお高めですが、
それだけの価値は充分あると
自負しています!!
その証拠に、お客様からも、
変わらず高い評価を頂いてきたはずです!!
ワルミさんだって、
ついこの前まで褒めて下さってたのに……
『星を獲得できたのは、
このお肉のおかげだ』って、
仰ってたじゃないですか!!」
ワルミ「あんなの、社交辞令に
決まってるじゃないの!ww
まさか本当に、おたくの肉が
うちの人気を支えている
とでも思ってた〜?w」
スカコ「…………」
ワルミ「あのねぇ…ww
自信満々のとこ悪いけど、
タカウマ亭の評価が高いのは、
全部私のおかげなの!!
私の素晴らしい経営手腕の賜物なのよ!!!
ちょっとぐらい肉の
ランクを下げたって、
まっっっったく問題無いの!!
だからもう、おたくからの
仕入れはやめさせてもらうわ!
他からもっと安い肉を
仕入れる事にしたから!!」
スカコ「え……だけど……
タカウマ亭さんには、
先代オーナーの時からのご要望で、
長年、国内最高級の肉を
お納めしてきたんですよ?
急にお肉のランクを落としたりしたら、
お客様からクレームが……」
ワルミ「アハハハハ!!!
スカコさんったら、なに言ってんのよ!ww
肉の違いが分かる客なんて、
そうそう居ないわよ!www」
スカコ「……そんなはず有りません!!
お客様は必ず気付きますよ!!」
ワルミ「あのねぇ〜…ww
勘違いしてるようだから、教えてあげる。
客が味わってるのは、肉じゃなくて
タカウマ亭の雰囲気なの!!
老舗の有名高級店で食事をする、
その事に価値が有るんであって、
肉の質なんて、
誰も分かっちゃいないわよ!!ww
素敵な調度品に囲まれた店内で、
高そうな器に乗って出てくれば、
たとえ安い肉でも、みんな有難がって
高い評価を付けるわよ!!!ww」
馬鹿にしたように笑うワルミ…
肉の質などどうでもいいと、本
気で思っているようだった。
私は肉屋として、そんな考え方は
絶対に受け入れられなかった。