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【第4話】30年取引してきた老舗ステーキハウスに納品当日「肉1,000万分納品なしで」→向かいにあるステーキハウスに納品を始めた結果…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 私は少しムッとしたものの、 すっかり浮かれてしまっている ワルミの心境を理解しようと努めた。 (ワルミさん…きっと今は興奮状態で、 変な事を口走っちゃってるんだわ…… 今まで、こんな...
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【第1話】30年取引してきた老舗ステーキハウスに納品当日「肉1,000万分納品なしで」→向かいにあるステーキハウスに納品を始めた結果…
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本編
精肉店を継いだ時、
まだまだ半人前だった私を支え、
今日まで引っ張って来てくれたセイジと、
社員のみんな…
突然の大口注文を受けてしまい、
大変な作業量をこなさなければ
ならなくなってしまった事を詫びる私を、
今回もまた、逆に励ましながら、
一丸となって作業を進めてくれたのだった……
そして、どうにか注文分の肉を
揃えて迎えた納入日……
スカコ「ご注文頂いたお肉、
お届けに上りましたー!!」
意気揚々と挨拶した私に対し、
ワルミさんはなぜか冷たい視線を返してきた。
ワルミ「あぁ…それキャンセルね。
もう必要無いの!」
スカコ「へっ……???」
私は言われた意味が理解出来ず、
思わずポカンとその場に立ち尽くした。
スカコ「あの……それって、どういう……」
ワルミ「だーかーらー!もういらないの!!
邪魔だから、さっさと
持って帰ってちょうだい!!」
ワルミさんは、いかにも
面倒臭そうな顔で、
「シッシッ!」と手を払い、
私を追い払おうとしてきた。
私はそこでようやく
ワルミさんの言葉の意味を理解し、
必死で食い下がった。
スカコ「えっ……いらないって……
1,000万円分ですよ??
一方的にキャンセルされても困ります!!」
するとワルミさんは意地の悪い
笑みを浮かべながら、
うちの肉に文句をつけてきたのだ。