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本編

なんですとーっ!?

繰り返し言うけど、

私は勉強だけが取り柄の、

はっきり言ってモブキャラ系だ。

高校でも、友人らしい

友人はいなかった。

 

級友「ねー、スカミ。

英語の宿題を写させて」

 

 

級友「今日の数学当たるんだけど、

答えをこっそり教えてよー」

 

接触があるとしたら、

こんな感じばっかりだった。

 

私も私で、自分は明るい性格でも

ないし、顔も頑張って

メイクして十人並。

人ごみに紛れたら、

日本野鳥の会でも探し出せないに

違いないと、変なところに

自信を持っていた。

 

だから、一目ぼれなんて、

どこか別の世界の物語的な

イメージだった。

少なくとも私には

一生縁が無いイベントだと。

 

でも、タイガ君は、そんな私に

「一目ぼれした」とおっしゃる。

心当たりが無さ過ぎて、

ますますテンパってしまった。

 

うっかり話に乗ってしまったら、

壺とか掛け軸とか、買わされそうな

気がしたくらいだ。

 

スカミ「それはどちらの

スカミさんの話?」

 

タイガ「君だよ。

他にいないでしょ」

 

タイガ君は真顔、

いたって真面目な態度で、

辛抱強く返事をしてくれる。

これ、本当かな?

信じていいやつ?