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【第6話】興信所に夫の浮気調査を依頼「これは浮気じゃない…」夫の驚愕の正体とは…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ケイキさんはいつも穏やかだ。 優しくエスコートしてくれるし、 私の好みや都合を優先してくれる。 しつこくされた事はない、無理に お酒を勧めてくるような事もしない。 カヨコ「なら、ケイ...
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【第1話】興信所に夫の浮気調査を依頼「これは浮気じゃない…」夫の驚愕の正体とは…
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本編
スカコ「固いというか、何というか。
怖がりなんですよね、
いつもおっかなびっくりで」
ケイキ「すぐ男にふらふらしちゃう
タイプより、ずっといい」
ケイキさんは、
真顔で私をじっと見つめた。
ああ、心臓が破裂しそうだ。
ケイキ「そういう真面目な女性、
好きですよ」
スカコ「ケイキさん」
ケイキ「俺も30代だし、
そろそろ落ち着かなきゃと思ってて。
次にお付き合いする女性は、
結婚を視野に入れられる人を
選ぼうと考えてて」
スカコ「えと、ケイキさんには
彼女がいた?」
ケイキ「ちょっと前に別れちゃった。
俺は商社勤めで、転勤も
出張もざらにある職種なんだ。
悪いとは思いながら、彼女を
放置しがちで、最後は……ねぇ」
彼はふっとため息をついた。
はっきりとは言わなかったけれど、
その忙しさが原因で
破局したのだろうと見当がつく。
商社は激務だとは、
私も聞いた事がある。
そうなんだ、ケイキさんは
転勤だ出張だと忙しく飛び回って
いて、彼女との時間を
あまりもてない人なんだ。
職種的に仕方がないとはいえ、
大変なんだなぁと、
私はしみじみした。
そんな私の手を、彼は急に握った。
いっそう真顔になっている。
ケイキ「理解してくれる
女性を探している。真面目な
スカコさんなら、こんな俺を
分かってくれる気がする」
スカコ「あの、ケイキさん」
ケイキ「お付き合いを、
していただけませんか?
結婚を前提に」