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本編
スカミ「もしもあのまま、ユウト君が
●力を受けている事に誰も気付かず、
アヤカさんが見て見ぬ振りを
続けていたら、ダイキさんの●力は、
必ずエスカレートしたでしょう。
そのうち、ユウト君の生死に関わる
ような事態になっていたかも
しれない…そんな事件、アヤカさんも
テレビで見たことあるでしょ?」
アヤカ「そんな…そんな事には
ならないわよ!!」
スカミ「どうしてそう言い切れるの?
ユウト君の体、最近見た事あるの?
痣だらけなのよ??火傷の痕まで
あったのよ??知ってた??」
アヤカ「………大げさだよ…
そんな大したことじゃないよ…」
スカミ「大したことです!!!
忘れたの??自分が●Vを受けてた
時のこと!!痛み、苦しさ、恐怖…
誰も助けてくれない絶望……
あなたは…自分の子供に、
そんな思いをさせていたのよ??」
私は泣きながらアヤカさんに訴えた。
アヤカさんは当時の事を思い出した
のか、自分の体を抱きしめて
震え始めた。やがて、警察官に
促されると素直に立ち上がり、
静かに連行されていった。
ダイキさんとアヤカさんは、
取り調べのあと、ユウト君への傷害と
保護責任者遺棄の容疑で逮捕された。
アヤカさんの方は、起訴は免れるかも
知れないが…まだよく分からない。
ユウト君は児童相談所に一時保護
されたが、その後のことは
アヤカさんの状況次第となるだろう。
児童養護施設等へ入所する事に
なるかも知れないし…
アヤカさんが心を入れ替えて、
ユウト君を大切にし、もう二度と
同じ過ちを起こさないのであれば、
ユウト君の幸せを考えると、
やはり母親と暮らせるのが
良いのかも知れない…
これは正解が決まっていない
本当に難しい問題で、
関わる大人が一丸となって、
協力していくしかないと思う。
私も、引き続き何か出来ることを
模索していくつもりだ。
ユウト君の幸せを第一に考えた上で、
患者であるアヤカさんに関しても、
この先も出来る限り力に
なりたいと思っている。