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本編
ツル「なあ、スカオ君。
俺は君にぴったりの
女性だと思うんだけどねえ。
どう?真面目に一回会ってみない?」
今は亡き親父の代から、
ずっとうちの店に通ってきて
くれている常連の、
通称ツルさんが俺に言う。
先日、入ってくるなり
ツル「スカオ君、
いい話を持ってきた。
お見合いだよ、お見合い。
26歳の美人!」
俺に意気揚々と見合い話を
振ってきた人なんだが、今日は
本当に見合い写真を持ってきた。
いやもう、本格的な写真。
今どき珍しい台座付き。
どれどれと見てみれば、
なるほど確かに和服美人が
品よくほほ笑んでいた。
10人中10人まで、少なくとも
綺麗だと認めるに違いない。
しかし、俺は苦笑いを
浮かべてしまった。
なぜって
スカオ「ツルさん、綺麗すぎるよ。
俺なんかに釣り合うとは思えない」
ツルさんはぴったりだのお似合い
だの言ってくれるけれどさ。
俺は、26歳のお好み焼き屋2代目
店主で、はっきり言ってセレブの
セの字にもひっかからない。
せめてイケメンならまだしも、
親父似で、これまたはっきり言えば、
頑張ってもフツメン止まりだ。
スカオ「こんなソース臭い男に
釣り合うわけないでしょ、
これほどの美人が」
ツル「いやいや、それがね。
エリコさんの方は乗り気なんだよ。」