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【第13話】来院した母親の診察中、子供が変な手の動きを→そのサインの恐ろしい意味が…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 医者や警察は、結局、 何か起きてからでないと動けない。 予防に努める事は出来るが、 まだ起きていない病気や 事件に介入する事は出来ないのだ。 自分の予想が正しいのでは… と感じていて...
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【第1話】来院した母親の診察中、子供が変な手の動きを→そのサインの恐ろしい意味が…
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本編
ユウト君の態度に腹を立てた
アヤカが、厳しい口調で
叱りつけるのを聞きながら、
私はユウト君が見つめる、
その手の動きに違和感を覚えた。
ユウト君は、時折私を
チラッと見てはすぐに俯き、
自分の手をじっと見ていた。
何度も何度も繰り返す、
その手の動きに、
私は見覚えがあった…
(もしかして……これって…!!)
私は思わず息を飲んだ。
ユウト君の肩にそっと手を置き、
私を見上げたユウト君に
微笑みながら頷いた。
そして前回と同様に看護師を呼び、
待合室でユウト君と
待っていてくれるよう頼んだ後、
いつものように
アヤカさんの診察を始めた。
アヤカ「ダイキって、私のこと、
すっごく大切にしてくれるんだ〜!
今日ここに来るのだって、
わざわざ車で送ってくれたし〜、
診察が終わったら、
迎えに来てくれるんだよ〜?
私、愛されてんだ〜!ダイキと
出会えて本当に良かったよ〜!!」
私はノロケ話を繰り返すアヤカさんを
下手に刺激しないよう、
努めて普段通り対応した後、
カウンセラーにこっそりと
「長めに話を聞くように」
と頼んで引き継いだ。
そして待合室に向かい、
ユウト君に声をかけた。
アヤカ「さっきのハンドサイン、
よく知ってたね。もう大丈夫だよ。
安心していいからね」
ユウト君は目に涙を浮かべ、
黙ってコクリと頷いた。
(やっぱり……間違いじゃ
無かったんだ……)