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【第10話】来院した母親の診察中、子供が変な手の動きを→そのサインの恐ろしい意味が…
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本編
アヤカさんが帰った後、担当の
カウンセラーと情報を共有しつつ、
今後の治療方針として、
子育てやユウト君に関する注意を
怠らないよう、話をしたのだった。
そして次の診察日、アヤカさんに
ダイキさんとの交際についてや、
ユウト君の様子を尋ねたところ、
アヤカ「そうそう!先生聞いて〜!
ダイキったら、一緒に住みたいって
言い出してぇ〜!!ウチに転がり
込んで来たんだよぉ〜!ww」
スカミ「同居ですか……
ユウト君は?何て言ってます?」
アヤカ「あぁ〜…なんか〜、
ユウトもずつダイキに慣れてきた
みたいで〜、最近は、ダイキの
言うこと、ちゃんと聞くように
なってきたんだよね〜!
ユウトもやっぱ、
男の子だから〜、母親だけじゃ、
どうしても躾が行き届かなくてさ〜…
ダイキが居てくれて、
助かってるんだ〜!」
『躾』と言う、どことなく不安を
感じる言葉を聞いて、私は改めて、
ユウト君がまだ幼い子供で
あることや、生活環境が変わる事が、
アヤカさんにもユウト君にも
大きなストレスになること、
他人と一緒に暮らす事の大変さなど
を、アヤカさんにもう一度考えて
もらえるよう、促したのだった。
(アヤカさんの人生は
アヤカさんのもの。
だけど……アヤカさん1人が
幸せになるんじゃなくて、ユウト君と
一緒に幸せでいて欲しい!
今はダイキさんに夢中なんだろう
けど…本当に、アヤカさんが
言うように全てが順調なのだろうか…
ユウト君はいったいどんな
気持ちでいるんだろうか…)
ユウト君の様子を実際に見ていない
私は、それ以上踏み込むことは
出来ず…ただ、
「この前、あんまり話せなかった
ので、ぜひまた、ユウト君を
連れて来て下さいね!」
とアヤカさんに声をかけること
しか出来なかった。