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本編
ヒロト「お父さんにも…言う?」
アスカ「言わない。絶対に言わない
から、心配しなくていいんだよ。
今までヒロトにいっぱい怖い思い
させちゃって…本当にごめんね…」
ヒロト「ううん。お父さんは
ボクのことはいじめないから…
お母さんは?いじめられても、
お父さんのことが好きなの?」
アスカ「ん〜…大好きで
結婚したけど…お父さん、
変わっちゃったからね…
今はもう、一緒に居ちゃ
ダメなのかなって思ってる。
ヒロトは?お父さんのこと好き?
このままお父さんと
一緒に暮らしたい?」
ヒロトは硬い表情で
頭をぶんぶんと横に振った。
アスカ「そっか。じゃあ…
この家を出て、お母さんとヒロトの
2人だけで暮らそうか」
ヒロト「本当!?いつ?
いつここを出てくの??」
一転明るい表情になって、
弾むように尋ねてくるヒロト。
アスカ「そうだな〜…今、決めた
ばかりだから…早い方がいいけど…
ヒロトは、学習発表会までは
ここに居たいとか、希望ある?」
少し考えた後、ヒロトはこう答えた。
ヒロト「こんど、授業参観が
あるでしょ?ボク、最後に
お父さんに見にきて欲しい!」
アスカ「そっか……うん。わかった。
お父さんに伝えておくね。
お父さんから離れることは、
授業参観の後に話すことにしよう」
ヒロト「うん!」
アスカ「じゃあそれまでは、お父さん
には内緒で準備を進めようね」
ヒロト「うんっ!」
安心したように笑顔を見せる
ヒロトを見て、私は離婚への
決意を新たにした。
正直、ユタカが離婚に
同意してくれるかどうか、
私がヒロトの親権をもてるかどうか、
分からない。
揉めるかもしれないし、
もしかしたら、また酷い
●力を受けるかも…
だけど、もう覚悟は決めた。
何をされたとしても、ヒロトと2人で
生きていけるよう頑張るしかない!
ユタカに愛人が居る今なら、
もしかしたら案外すんなり
同意してくれるかも知れないし…
とにかく今は、揉めた場合に備えて、
万全の準備を整えておこう。
私はタカダ先生に教えてもらった、
配偶者暴力相談支援センターに
電話を掛けた…