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【第11話】母が他界し、母のスマホを解約に行くと…店員「本人じゃないと解約できませんよw」
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 異常事態に気付いた周囲の人たちが、 何事かとこちらを見る中、 1人の女性店員が、駆け寄って来て、 キノシタを問い質した。 女性店員「一体どうしたの!?」 女性店員の名札を見ると、 「...
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【第1話】母が他界し、母のスマホを解約に行くと…店員「本人じゃないと解約できませんよw」
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本編
店長さんは「いいんですか…?」
と戸惑った後、手早く机の上の
書類を確認し、
店長さん「はい…そうですね。
仰る通り、必要書類は全て提出して
頂いてますので、すぐに解約手続きを
進めさせて頂きます!
ほら!キノシタ君、
これ以上お待たせしないで、
早く解約の書類をご用意して!」
キノシタ「…………はい」
不貞腐れた態度のキノシタを横目に、
店長さんは再び
「申し訳ございません」
と深々と頭を下げた後、
まだ心配そうに振り返りながら、
自分の持ち場に戻って行った。
不満な気持ちを隠そうともしない
キノシタの前に、母のスマホを
グイッと押しやりながら、
私は勝ち誇った表情で
顎を上げて見せた。
キノシタ「分かりましたよ!
やればいいんでしょ!
……とりあえず、
その骨しまって下さいよ!!」
この期に及んで、キノシタには
反省の色が全く伺えない。全く、
どういう神経してるんだか…
キノシタ「あなたの本人確認も
必要ですんで、運転免許証や
パスポートなど、ご自身を
証明できるものをお願いします」
私は財布から運転免許証を出し、
他にクレジットカードも提示した。
するとキノシタは、そのカード類を
鷲掴みにして立ち上がり、無言のまま
どこかに持ち去ろうとするので、
私は慌てて声を上げた。
スカミ「ちょっと!!
どこに持って行くつもりですか?
何も言わずに持って行かれるのは
困ります!!」
キノシタは小さく舌打ちし、
天を仰いでため息をついた後、
いかにも面倒臭そうに振り返った。