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本編
ミソラと私の為に、少しでも
有利に離婚できるようにと、
ここまでしてくれていたのだ。
ササキ「浮気の証拠は
十分揃ってるから、安心して!」
ササキさんにそう言ってもらえたこと
で、この場にも不安無く来れたのだ。
両親も、「ここまでしてくれる
なんて…有難いね。本当に、
いい方と出会えて良かったね!」
と言っていた。
ササキさんだって、カイト君の面倒も
見なければならないし、
お仕事だって忙しいはずなのに…
本当に、感謝してもしきれない。
動かぬ証拠の数々を前に、
ショウ君は顔面蒼白になり、
ダラダラと汗を流し始めた。
さっきまでの威勢はどこへやら、
目をキョロキョロと動かしながら
焦っている様子に、私は心の中で
『ほらみろ〜www』と、
巨大ブーメランを返しながら、
ショウ君が次に何を言い出すのか
観察していた。
ショウ「こ…こ…こんなの!!!
浮気の証拠だとは言えねぇよ!!!
つかこれ、俺か?俺じゃなくね??
俺じゃねぇわ!!!他人の空似
だわ!!!ハハハハ…」
苦し紛れに何を言い出すんだか…
今、自分が着ている服と、全く同じ服
を着た自分が写っているのに…
弁護士さんは、目の前のショウ君と
写真をじっくりと見比べた後、
弁護士「はい。これなら十分に、
不貞行為の証拠になりますね」
淡々と、でもハッキリと言い切った。
ショウ君はガックリとうなだれ、
ササキさんは小さくガッツポーズを
し、私はニッコリ微笑んだ。
ササキ「では、離婚の条件は、
こちらの紙に書かれた内容で
問題ないですよね、先生」
弁護士「はい。全く問題ないと
思います。親権も、お母様の方の
単独親権という事で
間違いないでしょう」
そう断言する弁護士さんの言葉を
聞いた途端、ショウ君は
突然私に縋り付いてきた。
ショウ「す、すまない!あれは
全部気の迷いだったんだ!!
許してくれ〜〜〜!!!」